ドローンとラジコンは何が違う?航空法における違いを解説!
ドローンやラジコンという言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、それぞれの違いについてあまり理解されていないのが現状です。そこで、今回は航空法におけるドローンとラジコンの違いを解説していきます。それぞれの定義や共通ルール、そしてドローンを利用するメリットについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ドローンとラジコンの違い
ドローンもラジコンも、どちらもコントローラーを使って操作することには変わりありません。しかし、実際はそれぞれに明確な違いがあり、混同してしまっている方も多いのではないでしょうか。
そもそも、ラジコンというのは、「増田屋コーポレーション」の商標登録です。つまり、増田屋コーポレーションの商品もしくは関連商品にしかラジコンという言葉を使うことができません。ラジコンカーやラジコンヘリという言葉を聞くことはあるかもしれませんが、実は玩具メーカーの商標だったのです。
では、増田屋コーポレーション以外では、どのように呼ばれているのでしょうか。増田屋コーポレーション以外ではラジコンを記載することができないので、他社製品の場合はRadio Controlの頭文字を取って、RCと記載されることが一般的です。
では、ラジコンとドローンにはどのような違いがあるのでしょうか。コントローラーを操作して機体を動かすのがラジコンやRCなのに対して、ドローンはGPSや加速度センサーが搭載されているので、機体自らが飛行をコントロールできるのです。わかりやすくいうと、両者の決定的な違いは「自律性」があるかないかということです。
ラジコンやRCはプロポというコントローラーを使って機体をすべて手動で操作しなければなりませんが、ドローンの場合はさまざまなセンサーによって自律飛行を行います。どちらもコントローラーを使って操作できますが、ドローンは自らの機能で飛行できるという理解で問題ないでしょう。
ドローンとラジコンの共通ルール
ドローンもラジコンも遠隔で操作できるというところは共通点としてあります。そのため、両者には共通のルールが存在します。
たとえば、航空法では①「日中に飛行」、②「肉眼で確認できる範囲で飛行」、③「人や物とのあいだに30m以上の間隔を作る」、④「イベントなどの多くの人が集まる上空では飛行しない」、⑤「危険物を輸送しない」、⑥「無人飛行機から物を落下させない」といった6つのルールが存在します。これらのルールはドローンに限らず、無人飛行機であるラジコンやRCにも該当します。
さらに、重量が200gを超える機体を規制区域で飛行させる場合は、あらかじめ国土交通省の認可を受けなければなりません。コントローラーで簡単に操作できるとはいえ、危険が伴うこともあるので、ルールをしっかりと守る必要があります。
ラジコンではなくドローンを利用するメリット
ドローンは自律性に優れているので、さまざまなシーンで活用できます。たとえば、産業用ドローンの場合、空撮や農業、建築現場などで利用されます。テレビや映画のほか、YouTubeなどの動画撮影にも使用できるドローンは、近年注目を集めており、さまざまなところで使用されているでしょう。
さらに、農業用ドローンについては、広大な土地でも上空から肥料や農薬を散布できるので、人材不足などの問題を解決できるツールとして広まっています。
また、建築現場では、主に屋根や外壁の点検で使用されることが多いでしょう。屋根を点検するには足場を組んで屋根に上がる方法がありますが、その場合は足場を組む作業料が発生するので、業者にとっても、施主にとっても負担が大きいのです。しかし、ドローンがあれば、地上から遠隔で屋根の状態を確認できるので、費用負担を抑えて点検することができます。
さらに、鉄道や鉄塔などのインフラ設備の点検でも活用されることが多いでしょう。とくに高さのある建物を点検するには、人力よりもドローンを使用するほうがコスト面でも時間の面でもメリットがあります。
そのほか、測量業界でもドローンを活用するケースがあります。実際に工事を始める前にドローンで現場を撮影することで、距離や角度、高度など、現場の地形情報をあらかじめ確認することが可能です。また、傾斜が厳しい斜面や人が簡単に入れないようなところでも、ドローンであれば遠隔操作で状況を確認できるので、さまざまなシーンで活用できるといえるでしょう。
まとめ
今回はドローンとラジコンの違いのほか、それぞれの共通ルールやドローンを活用するメリットについて紹介しました。ドローンは「自律性」があるので、さまざまなところで活用しやすいというメリットがあります。最近は農業や建築現場などでも使用されており、人手不足の解消に大きく貢献しているでしょう。
また、インフラ設備の点検などにも使用されており、今ではなくてはならない存在になっています。これからもさまざまなところで普及していくと予想され、今後の動向から目が離せないでしょう。