ドローンの飛行レベルとは?レベル4はいつから施行される予定?

公開日:2022/10/01   最終更新日:2022/10/18

無人航空機のライセンス制度導入に向け、ますます盛り上がりを見せるドローン飛行。航空法の改正についても議論が重ねられ、段階的な環境整備が進んでいます。そこで注目されているのが「レベル4」飛行です。近い将来、レベル4飛行が許可されるのではないかと、期待が高まっています。今回は、ドローンの飛行レベルについて解説します。

飛行レベル1「目視内による操縦飛行」

そもそもドローンの飛行レベルとは、ドローンを飛行できる環境や状況のことです。レベルの数字が高くなればなるほど、ドローン操縦の難易度が上がっていきます。

飛行レベル1とは「目視内・操縦飛行」のことです。これは、見える範囲で手動操作する一般的なドローン利用の形態のことを指します。現在行われているドローン利活用の大部分は、この「レベル1」です。農薬散布や空撮、一部の点検作業などが該当します。

飛行レベル2「目視内による自動操縦」

飛行レベル2とは、自動運転機能を活用し、見える範囲でドローンを飛行させる操縦のことです。空中からの写真測量やソーラーパネルの点検などがレベル2の飛行に当たります。

ドローンの自動操縦とは

ドローンには、自動操縦機能が搭載されています。自動操縦の仕組みはGPS方式とトラッキング方式の2つに分けられます。現在の自動操縦はGPS方式が主流です。ドローンの現在の指標と目的地の座標を測位し、飛行するルートを設定する仕組みです。

高性能なドローンでは、カメラの向きや高度も設定できます。そのため、特殊な知識を持たずとも高度な飛行が可能です。しかし大きなデメリットとして、周辺状況の認識ができない欠点も持っています。建物や周辺の地形などが把握できないため、事故につながるおそれもあります。また電波の届きにくい屋外では、そもそもGPS機能が発揮できません。

これらの欠点を補うため、近年開発が進んだのがトラッキング機能です。トラッキングとは追尾機能のこと。障害物を回避する機能や、位置情報と超音波センサーを併用した制御システムなど、さまざまな機能が搭載されています。墜落のリスクを減らし、技量の差が出にくくいため、操縦スキルに自信のないユーザーからも評価されています。

飛行レベル3「無人地帯での目視外飛行」

飛行レベル3は、無人地帯での目視外飛行(補助者の配置なし)のことです。このレベルでは、住民や歩行者など第三者がいないエリアにおいて目の届かない範囲まで飛行させられます。

長大なインフラの点検、河川測量などもこれに該当します。これからの物流社会において、離島や山間部への荷物配送が可能になり、業務の効率化も期待できるでしょう。

また災害発生時には、被災状況の調査、行方不明者の捜索にも役にたちます。人的リスクやコストを抑えられるため、今後はますます発展していくでしょう。

飛行レベル4「有人地帯での目視外飛行」

飛行レベル4は、有人地帯での目視外飛行のことです。第三者のいる上空を、補助者の配置なしで飛行させる形態を指します。市街地などを含めたエリアにおいて、目の届かない範囲まで飛行できます。

2022年8月現在では、レベル4飛行は認められていません。しかし、レベル4飛行を許可することで、これまでに不可能だった有人地帯での飛行が可能になります。とくに物流業界での効率化、発災直後の救助、避難誘導、消火活動の支援、都市部におけるインフラ点検などが期待できるでしょう。

ドローン操縦ライセンスは2種類

無人航空機に関する新制度では、一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の2つのライセンスが制定されます。二等無人航空機操縦士は、レベル1~レベル3までの飛行が可能です。

レベル4の飛行には一等無人航空機操縦士のライセンスが必要です。さらには、機体の認証も必須条件。飛行ごとの許可・承認も条件となっており、すべてを満たして初めてレベル4飛行が可能になります。ドローンの操縦ライセンスは更新制で、3年ごとの更新が予定されています。

レベル4の開始時期は未確定

結局、ドローンのレベル4飛行が可能になるのはいつからなのでしょうか。残念ながら現段階では未確定です。2022年4月、官民協議会が開催され、ドローンの操縦免許や試験方法などの協議がありました。操縦ライセンス制度の概要や、新たな方向性がリリースされていますが、飛行可能範囲の詳しい内容までは開示されていません。

また2022年12月からドローンのライセンス制度がスタートしますが、これと同時にレベル4飛行が解禁されるかは不明です。2023年の早期に解禁になるのでは?との情報もあります。いずれにせよ、法令の整備が進むのを待つのみです。

まとめ

ドローンのライセンス制度がスタートすると、レベル4の飛行が解禁されるかもしれません。しかし現時点では、いつからレベル4飛行が解禁されるかは未確定。早ければ2023年にレベル4飛行が許可され、物流業界や農業でのドローン利活用が実現するでしょう。ビジネスに活用したい人がレベル4飛行を目指すなら、一等資格の保有を視野に入れておきましょう。

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