ドローン測量でできることとは?メリットや精度をわかりやすく解説!
みなさんは「ドローン測量」とはなにか知っていますか?ドローン測量とは、空からドローンを用いて地面の様子を測量し、データ化する技術のことです。今回は、まだあまり知られていないドローン測量に関する詳細やメリット、精度についてご紹介します。ドローンを使った仕事に興味があるという人はチェックしてみてください。
そもそもドローン測量とは
はじめに、ドローン測量に関する基本的な知識について紹介します。ドローン測量とは、ドローンを用いて上空から広範囲の地形を測量する技術のことです。
ドローン測量の基本的な流れは5つに分かれます。まずは現地調査です。周囲にドローン測量を妨げるものがないかを確認したり、通信状況は正常であるかを確認したりします。その結果をもとに、次に行うのが飛行ルート作成です。
これは、専門のソフトウェアを用いて、撮影間隔や高度、シャッター速度などを決定していく工程です。その後、GCPという地上の基準点を設置し、ドローンの正確な3次元位置を測定します。
そして、いよいよ実際にドローンを飛行させ、欲しいデータを取得します。無事にドローンで取得できた点群データについては、専門のソフトを使って解析します。必要に応じて、3Dモデルや鳥瞰図といった作成をすることも可能です。
ドローン測量のメリット・デメリット
ドローン測量にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
メリット
ドローン測量のメリットは大きく2つあります。1つめは測量の素早さです。ドローンによる測量は、従来の地上測量や有人航空機を使用した測量と比べ、準備に時間がかからず、解析もスピーディに行えることから、大幅に作業時間を短縮することができます。
2つめは、測量にかかるコストが低いことです。従来は有人航空機を用いて測量を行うことも多くありましたが、この方法では人件費がかさんでしまうという難点がありました。一方、ドローン測量は無人で行うことができるため、コストを抑えながらも質の良いデータを取得することができます。
デメリット
測量の範囲によっては、ドローンよりも効率のよい測量方法が存在するケースがあります。たとえば、数百ヘクタールに及ぶような広大な土地の測量を行う場合、ドローンはバッテリー交換のために何度も作業を中断しなければならなくなる可能性があります。そのため、広大な土地の測量を行う際には、有人航空機を使用した方が効率的に作業を進められることがあるといえます。
また、反対に測量範囲が非常に狭い場合も、地上から人間が測量を行った方がコストを低く抑えられることがあります。このように、測量はすべてのケースでドローンを使うことが一番適しているというわけではないため、測量範囲や目的に応じて手段を変えていくことが大切です。
ドローン測量の精度
ドローン測量の精度はどれほどのものなのでしょうか。一般的に、ドローンで行う測量の方が、有人航空機などと比較して精度のよいデータを取得することができるとされています。それは、ドローンは対象に接近した低空飛行ができることにより、正確なデータを取得することができるからです。
しかしながら、ドローンも完璧な精度で測量ができるというわけではありません。精度は使用するドローンの種類や測量時の気候などにより大きく変わるといわれていますが、よい条件で測量をすることができた場合であっても、位置精度0.05m程度の誤差は出てきてしまうとされています。
ドローン測量を行うには
ドローン測量を行うには、ドローン測量に関する知識を有していることが求められます。測量に関する資格としては「測量士」「測量士補」といった国家資格があり、技術者として基本測量や公共測量に従事するためには、この資格を取得しておく必要があります。試験は毎年1回しか実施されないため、興味がある場合には早いうちから学習に取り組むようにしましょう。
また「第3級陸上特殊無線技士」という資格もあります。これは、ドローンのFPVや各種無線を使用するために必要な資格です。ドローン測量を仕事にするには必須の資格であるといえるでしょう。
さらに「地理空間情報専門技術認定」という資格もおすすめです。これは、測量士や測量士補の資格を取得した人が更なるステップアップとして受験するケースが多く、地理空間情報分野の専門知識を取得することができます。測量技術者としての地位向上につながり、仕事の幅を広げるチャンスとなる資格です。
これらのような資格の勉強を通して着実に知識を身につけていくことが、実際の現場で存分に力を発揮するための近道であるといえるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、ドローン測量とは何なのか、またそのメリットや精度についてご説明しました。ドローンを使った測量は、適切な範囲や条件下で行えば、従来の測量方法と比べて時間も金額も節約できるということがわかりました。
ドローン技術やバッテリー性能はまだ発展途上であり、これからますます改善が期待されていることから、ドローン測量の需要は将来的にも高まりつづけると考えられます。ドローンを扱うには、測量の技術やドローンに関する専門的な知識が必要となります。将来的にドローン測量の仕事に興味がある場合には、これらの知識習得に向けた学習にも取り組んでみてくださいね。